師走浪人セブン
こうして物語は作られた
そんなわけで、
心に残ったラストシーンをどうにか自分のシナリオにも活かせないかと考えたのが、鳩2の時なのです。
まずは、感動の構造の解析。
新映画天国の方を『今までの思い出が一度に押し寄せてくる』、
嘘つきヤコブを『ユーザーもありえないと思っている光景が目の前で展開される』
という風に解釈。そこから試行錯誤を繰り返し、他の映画の要素を入れたり、
素材の制限や演出の限界を経て、製品として世に出た形に落ち着いたわけです。
実のところ、桜の演出は個人的な作品のためにストックしていたネタのひとつだったのですが、
桜といえば東鳩、東鳩といえば桜……う〜ん、どうしようか……と悩み抜いた末、
ネタも必然性のある場所で使われた方が幸せだろうと投入に踏み切った次第なのです。


ちなみに、愛佳シナリオのテーマは「異性」。由真シナリオのテーマは「将来」です。
リアル高校生にとって最も大きな関心事の二つを臆面もなく取りあげるにあたり、
私の脳内で展開された思索は次のとおり。

(コンシューマーでの発売なので、より広い層が手に取ることになるろう。
 今までとは違い、そういった客へのアピールも考えなくてはならない。
 メインターゲットとなる層に対しては先輩方がいらっしゃるので、
 私がことさら気を回す必要もないだろう。
 むしろ似たような方向性で食い合うことがないよう、既存のエロゲの流行りからは離れた話にしよう。
 まずはファンタジー要素禁止。その上で奇跡を演出するには……)

そのようにテーマを決めた時点で、物語から派手さが失われてもいいかと思っていたのですが、
結局、全然地味じゃなくなりましたね。
ワックスかぶったり、靴下脱がされたり。
どうしてそんなことになったのだろう……。


そういえば何やら誤解があるようですが、由真という名前は私が考えたわけではありません。
十波という名字も何となく思いつきで決めただけで、
自分の過去作品に似た名前があることに気づいたのは随分と後になってからのことでした。
唯一、名前だけ出てきた『仙波律子』については悪のりでした。正直スマン。

ちなみに愛佳の当初の名前は『虹色ふわわ』だったわけですが。
これ、意外とよくね? と聞き回りましたが誰からも賛同は得られませんでした。
おっかしーなー。いいと思うんだけどなー、虹色ふわわ。

そうなると妹は『虹色いくの』か。
本人は本気で嫌がりそうです。